頭部外傷の予防はどうするの?
昨日は子どもがベッドから落ちて、”小児科医パパ“は肝を冷やしました。
恥ずかしながら、小児科医でも家での安全対策が十分ではないということに気づきました。
子どもが家の中で頭部外傷(頭を打つこと)を防ぐためには、どうすれば良いでしょうか?
頭部外傷のテーマ
1回目 お子さんが頭を打った時、病院に行った方がいいの?
2回目 頭部外傷の予防はどうするの?
3回目 家の頭部外傷対策を変えてみました
子どもの頭部外傷の安全対策
事故の原因
予防対策をするためには、外傷の原因を考えることが大切です。
日本小児科学会では、Injury Alert(傷害速報)として、多くの事故の事例を紹介しています。
”新米お父さん”が経験したベッドからの転落は、No.007 乳児用ベッドからの転落として紹介されています。また、他の家庭での頭部外傷の原因として、No.041 抱っこ紐からの転落による頭部外傷も掲載されています。
ベッドからの転落はどれぐらい起こっているの?
消費者庁によると、0から1歳児が大人用ベッドから転落する事故報告が、6年半(平成 22 年 12 月〜平成 29 年6月末)の間に、計 564 件(0歳児が 457 件、1歳児が 107 件)の報告があったそうです。そして、最近過去5年間では、ベッドから落ちたことが原因で9名のお子さんが亡くなっています。亡くなった原因は、頭蓋内出血(頭の中の出血)や窒息(ベッドと壁に挟まれる)のようです。
事故の予防
事故の原因をしっかり分析して、その対策をすることが重要となります。
重要なポイントは、2つです。
・2歳までは大人用ベットには寝かさない
(大人用ベッドで寝かしつけても、寝た後には子ども用ベッドに移動させる)
(大人用ベッドで寝かせた場合には、そばを離れない)
・大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは乳児には装着しない
(転落防止用に、ベッドガードを装着する時がありますが、1歳半までは装着しないでください。0歳児の赤ちゃんがベッドガードとベッドの間に挟まれて死亡する事故が報告されています。)
症例呈示:抱いている時に赤ちゃんを落とさないように!!
赤ちゃんを抱いている時に、無理して物を取ろうとしたり、ドアを開けようとした時に、赤ちゃんを落としてしまうことが報告されています。この症例では赤ちゃんは骨折をしてしまいましたが、無事に退院されました。