便秘の治療(ゴッドハンド)
さて、我が子に3−4日うんちが出ないと、
ヨメから「ゴッドハンドの出番よ」と促されます。不器用な”小児科医パパ”は、これが器用なヨメに唯一誇れることなので、その効果を得意気に説明しています。
「ほら、今日もうんち出たでしょ」
しかし、調べると衝撃的な事実が。。。
今まで乳児健診でも、「お腹のマッサージ」や「肛門刺激」を紹介していたのに。。。
本日は、便秘のための「お腹のマッサージ」と「肛門刺激」に関して、お話しします。
- 3歳までの便秘の定義と症状は?
- 便の性状(形)や色をチェックしよう!お腹もチェック。
- 3歳までの便秘の原因って何があるの?
- トイレットトレーニング
- 便秘って放っておくと、将来の出世にひびく?
- 便秘の治療(生活習慣の改善)
- 便秘の治療(ゴッドハンド編)
- 便秘の治療(使う薬の種類)
お腹のマッサージは有効か?
小児科医パパは、お腹のマッサージは、Youtubeで見つけた「ぐるぐるぐるぐる洗濯機〜」と歌いながら、遊びながら、マッサージをしています。そして、心の中では、「うんちでろー」と暗示をかけています。
しかし、きちんとした雑誌に、「お腹のマッサージ」が便秘に有効だという研究結果は研究結果は見つけられませんでした。そもそも、赤ちゃんに対しての研究がされていないのでは。。。
一方で、「うんちを出すときに、お腹を押すと、うんちが出やすくなる」と研修医の時に教わりました。バイオフィードバック療法(biofeedback therapy)とも言われています。
これも子どもに有効だというエビデンスはありません。もしかしたら、寝たきりの方や息む事ができない高齢者には有効かもしれませんが。。。
肛門刺激(ゴットハンドと得意になってたが。。。)
そして、肛門刺激にもエビデンスはありませんでした。
肛門刺激の方法は、「1歳までの便秘に対して、軟膏やクリームで滑りをよくした綿棒で、肛門を触ったり,1cm 程度挿入して刺激する方法」です。
”小児科医パパ”は、肛門刺激を行うとほぼ1時間以内に、長くても1日後にはうんちが出ていました。そのため、「ゴッドハンド」とヨメに呼んでもらっていましたが、もしかしてこれも偶然だったのかもしれません。。。
まとめ
便秘に対して、家でできることは限られています。
・排便日誌を書くこと、
・十分な水分と食物繊維(できれば不溶性)、そして大きくなればりんごジュースが、良いとされています。
そして、悲しいことに、お腹のマッサージと肛門刺激にはエビデンスがなかった。きちんとした臨床研究がされないのは、アメリカやヨーロッパで肛門刺激をすると、もしかしたら性虐待の範疇になるという文化的背景があるのかもしれません。。。
日本では、専門家も勧めている人はいますがね。。。
(小児慢性機能性便秘症診療ガイドラインの作成に向けたアンケート調査)