こどもって牛乳で貧血になるの?

赤ちゃんは母乳か粉ミルクの後、1-2歳ごろから牛乳を飲むようになります。

味見をしましたが、大人の味覚だと粉ミルクよりも牛乳の方が美味しいです。

僕の子どもは1歳4か月となり、牛乳を飲み始めました。すると、もう粉ミルクは嫌がり、牛乳しか飲まなくなりました。。。

さて、0歳児に牛乳を飲ますことはダメだと言われていますし、1歳を超えて飲みすぎると貧血になると言われています。なぜしょうか?

0歳児で牛乳がすすめられない理由

アメリカ小児科学会では、乳児(0歳児)の牛乳摂取は控えるように言っています。
(The Use of Whole Cow’s Milk in Infancy. Pediatrics 1992, 89:1105-1109.)
理由は数点あります。

1. 赤ちゃんの腸管は、牛乳のタンパク質を消化・吸収できる仕組みがまだできていないから。

2. 粉ミルクは、ビタミンDや鉄分、カルシウムなどの必要量や吸収しやすさが、赤ちゃん様に成長・発達に適したものとなっています。そのため、あえて牛乳を飲む必要はありません。

3. 1と関係しますが、鉄欠乏性貧血につながるからです。

なぜ牛乳を飲むと、貧血になるのか?

2点、理由がります。

1. 牛乳の主成分であるカルシウムとカゼインが、非ヘム鉄の吸収を妨げる可能性 

2. 牛乳アレルギーで起こる腸管の小さな炎症のために、腸管から少量の出血している可能性

2018年の報告によると、日常的に牛乳を飲む子どもでは、腸管からの目で見える血便(下血)は認めなかったが、13.7%は便潜血テストで陽性であったとのことです。つまり、腸管から目で見えないレベルの出血があることを示唆します。
(Lai et al. The prevalence and characteristics of cow’s milk protein allergy in infants and young children with iron deficiency anemia. Pediatr Neonatol. 2018 ;59:48-52.)

どのくらいの量であれば、牛乳を飲んでもよいか?

0歳児(乳児):牛乳は飲まない方がよい。母乳、粉ミルク(最近は液体ミルクも)が勧められます。

1歳児:コップ2杯。16-24 オンス (470-700mL)までは大丈夫そうです。

2-3歳児:コップ2.5杯。20-30 オンス(600-900mLぐらい)までは大丈夫そう。

アメリカ小児科学会では、2歳までは脂肪分をカットしていない普通の牛乳(だいたい脂肪分4%ぐらい)をすすめています。でも、肥満体質家系のお子さんの場合は、脂肪分1-2%の牛乳でも良いそうです。

出典:Cow’s Milk Alternatives: Parent FAQs

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