新生児急性肝不全 Neonatal Acute Liver Failure (NALF)
今回は、Sarah TylorとWhitington教授らの総説をまとめました。フェローとしてConsultation rotationの際に、2人のNALF患者がおり、その際に指導医からこの総説を勧められました。
(Taylor SA and Whintington PF. Neonatal Acute Liver Failure. Liver Transpl. 2016 May;22(5):677-85. )
NALFの原因として多いのは、60-90% GALDです。それ以外だと、ウイルス性(20-30%)や細菌感染、HLH、代謝疾患が考慮されるべきです。
感染では、sepsisとUTIを否定して、ウイルス性を考慮します。
ウイルス感染は出生時かそれ以降に感染することがほとんどで、新生児がIUGRになるとは限りません。
– HSV:NALFと最も関連のあるウイルスです。主に産道観戦となります。PCRや培養を提出しつつ、すぐにAcyclovirを投与されるべきです。他のヘルペス属として、HHV-6もNALFの原因となりえます。
– CMV:NALFとCMVの関連は少ないです。
– Enterovirus:もしNEC(壊死性腸炎)とNALFを合併すれば、Enterovirusが原因と考えて良さそう。
– Parvovirus B19:これはacute liver failure + bone marrow failureの原因として有名ですが、NALFの原因にはならなそうです。
HLH:Unusual cause of NALF (<10% of patients)
HLHの特徴としては、肝脾腫と高フェリチンレベル(20-50,000 ng/mL)
診断はcriteriaを満たすこと;発熱、肝脾腫、pancytopenia、高トリグリセリド血症 and/or hypofibrinogenemia、elevated ferritin、low/absent NK cell activity、elevated soluble CD25 (soluble IL2 receptor)、血球貪食像(骨髄、脾臓、肝臓、リンパ節)。
Mitocondrial disorders:metabolic distress(lactic acidosisを伴う低血糖)などで疑う
常染色体劣勢遺伝(3つの疾患):Tyrosinemia, galactosemia, hereditary fructose intolerance。Galactosemiaはnew born screeningの結果を確認する。Herediatary fructose intoleranceに関しては、フルクトースやスクロースを摂食した後、solid foodを開始した後に発症する。non-cow’s milk formula後に起こることもあるので、食事歴を確認する。Tyrosinemaのスクリーニングとして、urine for succinylacetone を確認する。